本記事では、国家資格化されて今注目度の高い賃貸不動産経営管理士についてまとめました。
- 賃貸不動産経営管理士は、国家資格されて今が一番ホットな資格
- 賃貸不動産経営管理士の取得メリット、結局稼げるかどうかが知りたい
- 副業として成立するか。
賃貸不動産経営管理士とは何かということから、上記の内容についてお話ししていきたいと思います。
1.賃貸不動産経営管理士とは?
賃貸不動産経営管理士という資格について、最近かなり耳にするようになったのではないでしょうか。「賃貸不動産経営管理士」は、2021年4月21日に発表された国土交通省令にて、国家資格となりました。
2015年度試験への申し込み者は約5,000人だったのに対し、世間的な注目度も上がると翌年度の申し込み者は約14,000人になり、1年で3倍の受験者数に急増した資格です。
直近の令和2年度の試験では、国家資格化への期待感から申込者が29,591人だったので、更に増加しており、資格に対する注目度・人気度は年々アップしています。
(1)資格の概要
賃貸不動産経営管理士とは、主に賃貸アパートやマンションなど賃貸住宅の管理に関する知識・技能・倫理観を持った専門家です。適正な管理業務を行ううえで、幅広い専門知識と経験を兼ね備えた賃貸不動産経営管理士が、重要な役割を担うことが期待されています。
[※引用:賃貸不動産経営管理士協議会サイト]
(2)国家資格となった事への期待感と試験難易度の難化
2020年6月12日に成立した「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(管理業法)が2021年6月15日に全面施行されますが、同法では、管理戸数が200戸以上の賃貸住宅管理事業者に管理事務所ごとに1人以上の業務管理者を設置することを義務付けています。
その業務管理者に関して、賃貸不動産経営管理士が要件として定められたことで、この資格の重要性が増したといえます。他の士業と違って独占業務はありませんが、この資格を持つことで、就職、転職により有利になることは間違いありません。また、管理業は、建物がある限り、なくならない職業です。現在のコロナ禍のようなことが原因で職がなくなるということはないと言えます。そういった意味で、とても期待できる資格です。
その分、試験難易度もここ数年上がってきています。平成30年は50.7%との合格率だったのが、令和元年は36.8%、昨年令和2年では、29.8%と徐々に下がってきています。
2.賃貸不動産経営管理士の業務とは?
業務管理委託契約
市場調査
賃貸用建物の企画提案
管理業務報酬の設定
管理業務受託契約の締結
入居者募集~契約(媒介契約)
入居者募集~契約
入居審査
賃貸借契約締結
鍵の引渡し
契約期間の管理業務
建物維持管理・修繕
法定点検
建物清掃
賃料等収納業務
クレーム対応
契約更新
賃料改定
契約終了後における管理業務
退去立合い
原状回復工事
敷金の精算
入居促進
空室維持管理
支援業務
管理業務報告
節税や相続に関する相談・提案への協力業務
不動産証券化業務など
建物維持管理だけでなく、賃貸不動産の企画提案~不動産の証券化、税金相談までの相談に対応する仕事になります。
3.賃貸不動産経営管理士のメリットは?
(1)不動産管理業でのメリット
不動産管理業務を行うということは、専任の賃貸不動産経営管理士を置くことが必要な場合があります。また、法的必要業務以外の内容にも幅が広がり、オーナーや入居者からの信頼獲得にもつながります。
不動産関連法や、設備の取り扱い、修理点検、修繕計画などに関する知識を、資格の取得によって専門的かつ体系的に身に付けることができます。
宅建士でも代用できますが、宅建士との違いは管理業を主としているかどうかです。宅建士の資格は不動産の仲介取引を念頭に創られた資格です。そもそもの成り立ちと視点が違います。
(2)不動産管理業以外でのメリット
不動産管理業を営むうえで、賃貸不動産経営管理士の資格は有力な武器となります。しかし、専門の管理業者だけにとどまらないメリットがこの資格にはあります。
不動産投資に役立つ
生活設計に役立つ資産運用に結びつけるためにも、賃貸不動産経営管理士の資格を取得して賃貸経営に関する専門知識と実務スキルを学ぶことが重要になります。
学生や社会人にも有効
賃貸不動産経営管理士が習得する知識は、日常生活との関連性も高いだけに、ビジネスとは関係ない目的で取得する方もいます。賃賃貸契約に関する法的知識をきちんと踏まえていれば、業者ともめることもなく、納得するかたちでの入退去が可能となります。
就職・転職にも役立つ
賃貸不動産経営管理士の資格は実用性が高いだけに、就職活動中の学生にとって大きな武器となります。不動産業界での活躍を望むなら、賃貸不動産経営管理士はぜひとも視野に入れておきたい資格になります。
不動産業界への転身を考えている人であれば、宅建と並んで賃貸不動産経営管理士は取得しておきたい国家資格です。特に、業界未経験だとアピール力に乏しいため、資格の取得で足りない部分を穴埋めすることが大切です。資格を持っていれば、知識の裏付けになるとともに、面接官に意気込みや本気度なども伝わりやすくなります。採用となれば専門知識と実務スキルが実際の現場で生かされるでしょう。法的に管理業を行う企業としても必要な資格となったため、アピール力は絶大だと思います。
4.賃貸不動産経営管理士の資格が活かせる業界と年収
賃貸不動産経営管理士は不動産管理業を生業とした資格なので、不動産業界(賃貸管理)業界でとても活かせる資格です。企業に属すると年収600万程度が相場になります。
また、賃貸管理の知識を活かして金融業界などもあります。不動産証券化、相続税対策など金融に関連する事項は切っても切れないワードになります。年収は800万程度は狙えるのではないか思います。資格があるかというよりは、資格取得や賃貸管理業で培った経験を活かしてということになります。
最後に、副業としての活用はないかという点においてですが、単純に賃貸管理業として個人で起業するのは難しいと思います。維持管理、入居者の賃料集金などマンパワーがいることになりますし、様々な会社に外注なり提携をするなり、下準備が相当必要です。副業というよりは、しっかり腰を据えて行えれば、徐々に収益を上げれるのではないかと思います。すぐに成果を出したい方は、コンサルティングという形をとるほうがいいでしょう。オーナーに賃貸管理の体制から経営の仕方までをコンサルティングするのは大変メリットがあります。ここは、第3者的に相談できる人がいない分野なので、オーナーにとっては相談相手がいることがとてもありがたい話だなと思います。
5 まとめ
今回は、賃貸不動産経営管理士についてお話しをしました。
私も、国家資格になるだろうという話を聞きつけ、2019年に取得した資格になります。
それから2年になりますが、国家資格となりました。
その他士業と違って独占業務はないですが、それでも国家資格になることによって、法的業務遂行することになります。つまり、法的に資格者が必要になる業務があるということです。
試験の難易度が上がって合格率が下がっているとはいえ、範囲も広くなく、管理業を中心とした勉強をしっかりとこなせば、独学で十分取得可能です。